治療(基本治療)〜むし歯治療〜

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むし歯治療

“むし歯になるメカニズム”歯周病は全身の病と密接な関係があります 〜肥満・糖尿病・心臓病など様々な 全身の病との関係が指摘されています〜

どうしてむし歯になるのか。どうしたらむし歯を予防できるのか。

なぜ「むし歯」ができるのでしょうか?どのようにしたら「むし歯」を予防できるのでしょうか?
ここではむし歯についての学問である「カリオロジ―」を中心にご説明いたします。
〜肥満・糖尿病・心臓病など様々な
全身の病との関係が指摘されています〜

むし歯の学問「カリオロジー」

むし歯の学問「カリオロジー」

「カリオロジー」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。歯科医療において、「虫歯 = むし歯 = う蝕(うしょく)= 齲蝕」のリスク分析や患者様への指導など、むし歯予防のために様々なアプローチがなされています。

「カリオロジー」という学問は、北欧では30年以上前から大学の講座に存在しており、むし歯を総合的に捉え、その疫学、病因病態論から、臨床的対処法、その1次予防・2次予防に至るまでを包括した概念です。

歯は「脱灰」と「再石灰化」を繰り返している

お口の中では「歯が溶け出す脱灰(だっかい)」という作用と、「溶けた歯が再び元の状態に戻っていく再石灰化(さいせっかいか)」という作用が日常的に繰り返し起こっています。

歯は、唾液の成分によって保護されていますが、砂糖の入った食物などの摂取によって、「細菌が作る酸」によって、お口の中が酸性へと傾くと、少しずつ歯の表面からカルシウムイオンなどが溶けだし、脱灰が進んでいきます。だ液の働きなどにより再び環境が(中和へ)改善されると、溶け出したイオンが歯の表面に戻り、修復する再石灰化が起こります。

お口の中では、脱灰と再石灰化が日常的に繰り返しており、脱灰と再石灰化のバランスがとれていれば、脱灰が再石灰化以上に進行することはなく、口腔内は健康な状態に保たれているといえます。

脱灰
(むし歯になりやすい状態)
酸が歯の表面(エナメル質)を溶解します。
脱灰(むし歯になりやすい状態)
再石灰化
(むし歯になりにくい状態)
唾液が歯の表面(エナメル質)を再成形します。
再石灰化(むし歯になりにくい状態)

唾液が酸を中和し、歯の表面(エナメル質)を元の状態(むし歯になりにくい状態)に戻します。

私たちの歯は、このように、日々脱灰と再石灰化を繰り返していますが、プラーク(歯垢)の停滞や、間欠ない飲食などで、酸性状態が長く続くと、再石灰化する間もなく脱灰が進み、ついには再石灰化作用では元に戻らない「不可逆性のむし歯」となってしまうのです。

歯を溶かす力脱灰 歯を元に戻す力再石灰化
歯を溶かす力脱灰 むし歯 歯を元に戻す力再石灰化

歯の脱灰を進める原因「むし歯菌」

ミュータンス菌
バイオフィルム ネバネバ むし歯菌 酸

ミュータンス菌は、食事に含まれる糖から酸を作り出す菌です。
歯はその酸によって少しずつ溶けていきます。

この菌は、糖のない状態でも酸を作り出すことができ、砂糖からネバネバとした、水に溶けない物質を作り出して、歯にくっつき、他のくっつく力のない細菌を巻き込んでバリヤーのようなものを作り、悪玉細菌の巣窟となる「バイオフィルム」を形成します。

ラクトバチラス菌
ミュータンス菌 ラクトバチラス菌

ラクトバチラス菌は、ミュータンス菌と供に働くことで、口腔内に虫歯を作り出して、さらに拡大していく菌です。

まず、ミュータンス菌の働きによって、むし歯のきっかけができます。ミュータンス菌は、歯の表面に付着する能力を持っていて、エナメル質を溶かしてむし歯を作ります。

そして、ラクトバチラス菌がミュータンス菌が作ったむし歯に入り込み、むし歯を拡大していきます。ラクトバチラス菌自体には、歯に付着する能力がありませんが、ミュータンス菌の作ったむし歯の中には、住み着くことが出来ます。

むし歯と「砂糖」について

砂糖だけがむし歯の原因ではない
〜「食べる頻度」がむし歯に関係

糖質は「タンパク質」「脂質」「炭水化物(糖質)」の三大栄養素のひとつにあたる大切な栄養素です。炭水化物(糖質)は、砂糖に限らず、ごはんをはじめ様々な食品に含まれています。多くの細菌が、これら糖質を栄養分として、酸を作り出します。なかでも砂糖(ショ糖)は、細菌の酸産生と、ミュータンス菌によって作られるプラークになるネバネバした物質(不溶性グルカン)のもととなることから、古くからむし歯の原因として考えられてきました。

しかし、食事をするたびに細菌が酸を作り出すので、口の中は酸性の環境になります。このことから飲食の回数が多いほど、口の中が酸性になっている時間が長くなるということがわかります。つまり、食べる量よりも、食べる回数が問題になってきます。

再石灰化が寸断されない食べ方
再石灰化が寸断されない食べ方

再石灰化を促進する「因子」について

再石灰化を促進する「唾液」の力

唾液には様々な作用があり、むし歯や歯周病から守ってくれています。

唾液 : 希釈・洗浄作用 抗菌作用 免疫作用 再石灰化作用 緩衝作用 歯質の保護作用
再石灰化を促進する「フッ素」の力

フッ素は、自然界にありふれて存在しており、身近な食品などにも含まれている物質です。フッ素は、歯を酸に溶けにくくしたり、再石灰化を促進する力に優れ、細菌に対しても抗菌効果を発揮したり、酸を産生する働きを抑えたり、様々な効果があります。

フッ素塗布の働きと使用法
  • 歯を強くする

    歯の表面を、酸に溶けにくい(むし歯になりにくい)性質に直してくれます。

  • 再石灰化を促進する

    歯から溶け出したカルシウムなどを、もとに戻りやすくします。初期むし歯などは治癒しやすくなります。

  • むし歯菌の力を弱める

    むし歯の原因菌の力を弱め、歯を溶かす酸の量を少なくさせます。

再石灰化を促進する「リカルデント」の力

リカルデント(CPP-ACP)は、“乳製品を多くとる人たちにむし歯が少ない”ということから、メルボルン大学のエリック・レイノルズ教授の研究の末、開発された成分です。ACPは「非結晶性リン酸カルシウム」のことをいい、CPPは「カゼインホスホペプチド」のことで、ACPをエナメル質表層下まで運搬して、安定化させる特徴があります。これらを合わせ持つ成分、リカルデント(CPP-ACP)は、様々な試験によって、むし歯を抑制し、再石灰化することが確認されています。

牛乳由来成分CPP-ACP*1の3つの働き
むし歯の始まりである脱灰を抑圧
歯からミネラル*2が
溶け出すのを抑えます

歯の内側*4が溶け出す減少を「脱灰」と言います。脱灰はむし歯の始まり。CPP-ACP*1が脱灰を抑えます。

再石灰化増強
溶け出してミネラル*2を
取り戻します

口の中で溶けやすい状態に保たれている牛乳由来成分CPP-ACP*1。脱灰によって溶け出したミネラル*2を効果的に補充!

耐酸性増強
再石灰化された
エナメル質を酸*3に
溶けにくい歯質にします

牛乳由来成分CPP-ACP*1によって再石灰された歯は、以前よりも酸*3に溶けにくくなるという耐酸性を持っています。

むし歯と「生活習慣」について

再石灰化を促進する「唾液」の力

むし歯は、他の生活習慣病と同様に、食生活など「生活習慣の改善によって予防できる疾患」です。
むし歯は、細菌による「感染症」でもあり、糖尿病や高血圧といったものと同様の「生活習慣病」でもあります。そのことからも、家庭での健康管理がキチンとなされていなければ、むし歯の予防は非常に難しいものになります。歯は私たちが生きていくうえで重要な役割があり、口は全身の入り口です。歯の健康を保つことは全身の健康を保つことにつながります。

感染症:歯面清掃(PTC/ホームケア),フッ化物応用(3DS/ホームケア),抗菌洗口剤応用など/生活習慣病:規則正しい生活,食生活改善,全身の健康管理など
「むし歯の除去」