プラークコントロールなどの非外科処置、適切な外科処置、必要に応じた抗菌薬の応用、その後のSupportive Periodontal Therapyを主体とした「スカンジナビアンアプローチ」を基本とした診療を行っています。
そこに再生療法、インプラント等の知見が加わっていきました。新たな知見の追加はあっても、歯周治療の基本原則は変わりません。「スカンジナビアンアプローチ」は現在も非常に有効な治療法です。
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雑誌のプレジデントに、シニアのための後悔トップ20が掲載されました。70歳を超えると、1位は「歯の定期検診を受ければ良かった」でした。
後悔は先に立たずですが、高齢になればなるほど、歯を失うことでご苦労をされていることがわかります。
8020推進財団・全国抜歯原因調査によると、日本人の歯を失う原因の約7割は、むし歯か歯周病です。そして、40歳まではむし歯が1位ですが、40歳を過ぎると歯周病が1位となり、急速に歯を失っていく傾向があります。
現在、80歳日本人の平均残存歯数は8~10本です。
歯は上下で28本あるので、80歳までに20本程度の歯を失っていることになります。しかし、世界的に見ると差があります。スウェーデンの80歳の平均残存歯数は20本を超えています。なぜ、ここまで残存歯数に差があるのでしょうか?「メインテナンスの受診率」が大きく結果を左右していると言えます。
スウェーデンでは90%以上の方が、アメリカでも80%以上が定期的にメインテナンスを受けています。これに対し、日本でのメインテナンス受診率は2%程度です。
むし歯や歯周病に侵されている状態。「病気」を治さずに、被せ物やインプラントなどの「処置」をしてもなんの意味もありません。再治療を繰り返し、歯の無いお口に近づいていくだけです。北欧式“スカンジナビアンアプローチ”では、このように、病気で無くなっていく機能を「補う」という「処置」中心ではなく、そもそもの「病気を治療」し、その後、再発しないように「維持」していくことを主眼においた、従来の日本の歯科治療とは大きく異なる、本来「歯科医療」のあるべき姿なのです。
一口腔単位でお口の健康を守っていくためには、現状把握が非常に重要になります。正しい現状把握ができなければ、ちゃんとした治療の計画は立てられません。
そのために、まずはしっかりとお話をお伺いした上で、レントゲンやCT撮影、歯周病検査や口腔内写真の撮影などを行い、しっかりとした診査・診断をし、その内容を丁寧にご説明させていただきます。
※救急処置が必要な場合は、ここで対応します。
詳細へしっかりと感染を除去しなければ、被せ物やインプラントをしたところで、何の意味もありません。
歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんど出ない場合も多く、気付くのが遅れ、歯科医院を受診した時にはすでに深刻な状態にまで病状が進行していることがよくあるというのが恐ろしいところです。
むし歯の治療には、ただ単に感染した部分を削って詰めたり被せたり、というだけでなく、プラークコントロールや、食生活などの影響も考える必要があります。
神経まで達してしまったむし歯の治療では、根の治療である根管治療が必要になります。抜歯の手前の最後の砦ともなる、非常に精密で重要な処置となります。
メインテナンスを怠ると、病気はすぐに再発してきます。せっかく治療したのですから、メインテナンスによって良好な状態を守っていくことが大切です。むしろこのメインテナンスこそが歯科医療の最も大切な部分であると言えます。
メインテナンスで歯を守れる確率「97.7%」。これは、スウェーデンはイエテボリ大名誉教授であるアクセルソン先生による、30年に及ぶ臨床研究で立証された数値です。30年間の長期に渡り、30代~50代の患者257名に、個々のリスクに応じたプロフェッショナルケアを継続的に行い、さらにセルフケアの指導を実施しました。その結果、30年の間に失われた歯の本数は平均0.6本という結果がでたのです。(1本未満)
つまり、むし歯や歯周病による歯の欠損は予防が可能であるとともに、メインテナンスによって「一生涯歯を残せる」ということが明らかになったのです。
1960年
王立ストックホルム大学歯学部 卒業 ※王立イエテボリ大学 歯周病教室にて リンデ教授に師事
1978年
Ph.D取得 カールスタッド市歯科保健センター所長、歯科衛生士学校を兼務 予防歯科クリニックを開設
1989年~1998年
イエテボリ大学歯学部予防歯科主任教授に就任
日本でいち早くスウェーデン型歯科医療を導入し、エビデンスに基づく歯周病治療を徹底的に実践しているのが弘岡秀明先生です。弘岡先生は、スウェーデン歯科医療の最重要機関であるイエテボリ大学歯学部大学院で歯周病学やインプラント治療を学び、現地の大学で学位を取得した日本人で最初の歯科医師です。
現在は、東京にある「スウェーデン・デンタルセンター」にて日々の診療に当たり「歯周病治療」、「歯周組織再生治療」、「インプラント治療」を軸とした患者利益を優先したエビデンスある医療を提供し、さらには、東北大学大学院で歯学研究科臨床教授を務めています。当院は、弘岡先生に師事し「口内が病気にならないために予防をし、病気が治った後でも良い状態を維持させるために予防する」というスウェーデン型歯科医療を患者様のためこの札幌の地で導入しています。
1978年
九州歯科大学卒業
1988年
イエテボリ大学歯学部歯周病科留学 研究員
1990年
チューリッヒ大学歯学部補綴科留学
1991年
イエテボリ大学大学院卒業(歯周病科)“Certificate in Clinical Periodontology” 取得同大学院臨床助手
1993年
同大学にて学位”Odont. Licentiate” 授受、帰国
1996年
スウェーデン・デンタルセンター(弘岡歯科医院)開設(東京、 日比谷)
1995年
弘岡秀明歯周病学コース開始
これは、スウェーデンはイエテボリ大名誉教授であるリンデ先生が、50年に及び研究を重ねているテーマです。研究の中でわかったことは、歯周病の治療法は様々あるがプラークさえしっかりと除去できればどんな手法を用いても生体は治ることです。リンデ教授は歯周病学で見出された生物学を基本とし、臨床経験を重ね確かなエビデンスのもと歯周補綴や咬合性外傷の研究や、GTRやGBR、エムドゲインなど現在の歯周組織の再生療法の発展に従事し世界的なパイオニアとなりました。また、イエテボリ大の解剖学のブローネマルク教授とインプラントの研究も行い、インプラント普及の貢献者としても知られています。
また、日本では2013年に社会の様々な分野で顕著な功績を挙げた者に与えられる旭日中綬章を受勲されています。歯科分野で外国人が受勲するのは、これが初めてのことです。
スウェーデンのマルメにある王立歯科大学卒業。
1957年にルンド大学の放射線学(現在の顎顔面放射線学にて研究を始める。)
1964年に歯周病学の助教授に就任。
1967年、ウメオ大学の歯周病学の准教授に就任。
1969年、イエテボリ大学歯周病学の主任教授に就任。
1977年 歯学部長に就任。
1983年 ペンシルベニア大学歯科医学校の学部長となる。
1988年 イエテボリ大学へと戻る。
北欧式“スカンジナビアンアプローチ”では、あくまでも悪いところがあれば歯科医師の出番となりますが、歯周病の治療や、お口の健康の維持のための「メインテナンス」が非常に大きなウェイトを占めます。そのため志村デンタルクリニックでは、日頃から、「歯科衛生士(デンタルハイジニスト)」の育成に非常に力を入れています。歯科衛生士は歯科医師のお手伝いという存在ではなく、患者様に対して歯科衛生士は担当制になっております。定期的なメインテナンスに歯科衛生士が非常に重要な役割を果たすということからも、院内での研修や、外部講師を招いての研修、各種勉強会や講演会などへの参加など、歯科衛生士の知識や技術の研鑽に余念なく取り組んでいます。
北欧式“スカンジナビアンアプローチ”では、歯科衛生士がとても重要な役割を果たします。患者様毎に担当の歯科衛生士を割り当て、末永くメインテナンスを行って、お口の健康を守っていきます。「むし歯を削って詰めれば終わりなんじゃないの?」というような間違った日本の常識の中で、ある意味「わかりにくい」歯周病の恐ろしさをわかっていただき、患者様ご自身が「今からしっかり歯を守っていこう」「きちんとメインテナンスを受けて、歯槽骨が失われていくことを予防していこう」と前向きな気持ちになっていただくこともまた歯科衛生士のお仕事です。このようなことからも、志村デンタルクリニックでは、歯科衛生士の教育や歯科衛生士自身の研鑽を怠りません。